カボチャは緑黄色野菜の中でもとりわけカロテンが多く、最近のフルーツ化とともに人気が高まっているお野菜ですが、果菜類の中ではもっとも低温に強く、夜温が8℃以上あれば生育可能です。根が広く張るので、夏の高温、乾燥にもよく耐えてくれます、吸肥力が強く、他の作物が栽培できないばしょでも作ることができますが、チッ素肥料が多いと『ツルぼけ』してしまいます。また排水不良は、茎葉に『疫病』が発生しやすいので、排水をよくして栽培する事が必要です。
カボチャには、日本種、西洋種、ペポ種の3種があります、日本種は高温に強く、栽培適温も恒温性で、肉質は一般に粘質になります。西洋種は日本種より高温に弱く、やや低温を好みます。果実は大型で、肉質は粉質のものが多くなります。ペポ種では若どり用のツルなしカボチャ『ズッキーニ』が有名です。外観がかわいく、食べてもおいしい『プッチィーニ』もペポ種の仲間になります。 |
カボチャの育苗期間は焼く30日のため、畑の準備は播種期と同一になります。特に、トンネル栽培やハウス栽培のように生育初期に温度確保の必要な作型の場合、マルチ張りやトンネル張りを、遅くとも定植の1週間前までには済ませるようにします。あらかじめ苦土石灰を全面に散布して耕し、所定の畝幅、株間に定植床を用意しておき、元肥の堆肥、肥料などを入れて、土と混ぜておきます。
定植時には15℃以上の地温を確保が必要です。苗の適期に定植できるよう準備を進めておきましょう。直播栽培の場合には、土壌が適湿時に畝を立て、マルチ内の湿度を確保することにより、発芽率が向上します。
元肥は、1a当たり完熟堆肥200Kg、チッソ1.5Kg、リン酸2Kg、カリ1.5Kgが基準となります。 |
定植は晴れた日の午前中に行います。本葉3~5枚のがっちりした根張りのよい苗を選び、植え穴に、深植えにならないように植えます。ホットキャップなどをかけておくと、ウリバエ、アブラムシの被害防止に役立ち、生育も早くなります。また植え穴には、初期の害虫防除としてアドマイヤー①粒剤などを処理しておくと、定植後の減農薬に有効です。
|
ホットキャップは登頂部に換気用の穴を開け、徐々に大きくしてゆきます。ツルが伸びてきたらキャップをはずし、ツルの伸びた分だけ敷きワラそして、泥のはね上がりを防ぎます。 |
一般的には元肥だけでよく、特にチッ素肥料が多すぎると着果が悪くなり病気の出る原因になります。肥料不足の場合は、着果した果が野球ボール大になった頃に、ツルの先あたりに速効性のある肥料を施します。 |
基本は1株当り3本の子ヅルを出しますが、西洋カボチャは親ヅルによく着果し分枝性が弱いため、着果した果が肥大してきたら、混みすぎているツルを摘徐する程度でよいでしょう。(坊ちゃんは子ヅル2本仕立て)ツルなし種は整枝しません。 |
雌花が咲いたら、早朝太陽が昇る頃までに、雄花の花弁を取って、雌しべに花粉をつけます。過繁茂のときや、雨の場合に効果があります。(ズッキーニの場合は、受粉は必要ありません)。着果位置は子ヅルの7~8節くらいが適当です。 |
地這い栽培の場合底面にグランドマークがつくのを防ぐため、果の肥大後、マットを敷きます。また、果に直射日光が当たる場合は新聞紙などで日除けをしてやると美しく仕上げる事が出来ます。 |
西洋種は、開花後40~45日ほど経って、果梗部が十分コルク化したら収穫します。日本種は、開花後25~30日経って品種特有の色になり、果面に白い粉がふきだしたようになったら収穫適期です。いずれも若取りにならないよう試食してから収穫しましょう。
【ズッキーニ】節間が特に詰まって茎が伸びないので、場所をとりません。果はキュウリに似た形で、開花後5~7日、長さ20cm内外、太さ3~4cmで収穫します。
【プッチーニ】果重200~300gのミニカボチャです、タネまきして80~90日で収穫できる早生種で、雌花率が高く、ひとツルに3~4個連続して着果します。日もちも良く、室内で2~3ヶ月の貯蔵ができます。
【坊ちゃん】坊ちゃんは、電子レンジでチルするだけで食べられるホクホクした甘いカボチャですが、皮が薄く柔らかいため取扱に注意。朝露が乾いてから収穫します。また、出荷する場合は特にキュアリング、風乾を行います。
収穫適期はラップでくるみ電子レンジで7~8分チンして試食します。
○若取り・・・ホクホクするが甘味不足 ○適期・・・ホクホクで甘味も十分 ○果熟・・・甘味はあるがネットリした感じ。 |
疫病とウドンコ病が問題になります。疫病は水はけが悪い畑や、長雨が続いたときに発生が多く水はけをよくすることがポイントです。ポリマルチを使用する場合、雨水がたまって、ツルや果実が浸かると病気が発生します。フィルムに排水の穴を開けたり、果実にはマットを敷くと良いでしょう。
ウドンコ病は、雨が少なく、乾燥気味の天気が続くときに注意が必要です。初期のうちにしっかりと防除しておくことが大切です。 |