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■作物の養分が不足すると、葉にさまざまな欠乏症状が現れます。こんなときには土壌に肥料を施しても吸収には時間がかかるため、症状に応じた液肥を葉面散布して改善をはかります。
■また、微量要素は100万分の1単位で必要な要素ゆえに、土壌施用で微妙な調整をするには高度な知識と技術が必要になります。過剰投与による障害もでやすいため、葉面散布でミネラル分をコントロールすることは重要です。栽培に先立つ土作りや施肥管理に充分取り組んだうえで葉面散布剤を上手に利用しましょう。
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1. 作物の養分吸収は最小養分率といって、不足している養分の量によって左右されます。従って三要素と同様、微量要素もバランスのとれた施用が不可欠です。葉面散布は適性施用の難しい微量要素の供給に効果があります。
2. 異常気象などの自然災害時に樹勢を回復させ、耐寒性を強め作物を強くするのに効果があります。
3. 土壌pH、乾燥、根痛みなど、様々な条件で潜在欠乏をおこす土壌中の微量要素は葉面散布により即効的かつ効率良く施用できます。またマルチ等で追肥が難しい場合にも、葉面散布が効果的です。
4. 栄養周期にあったタイミングで適期散布が可能なため、収量を確保しながら高品質な作物作りが可能になります。 |
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1. 散布は朝つゆのない午前中と夕方に行います。
2. 雨の日や風の強いときは中止します。
3. 散布時の最適温度は15℃~26℃です。
4. 2重散布や農薬との混合はさけます。
5. 葉面散布剤は気孔の多い葉の裏側に散布するのが効果的です。 |
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1. 塩基バランスがくずれているとき
マグネシウム、カルシウム、カリは土壌の塩基バランスといわれ互いに拮抗しますので、たとえ土壌中に充分あっても他の要素が過剰の場合欠乏症が現れます。
2. 土壌乾燥がすすんでいるとき
土壌の乾燥時や高温時には土壌にカルシウムが充分あっても欠乏症が現れます。
3. 土壌が酸性化もしくはアルカリ化しているとき
酸性化土壌ではマグネシウム、カルシウム、モリブデンが不溶化し、アルカリ性土壌ではアエン、ドウ、テツ、マンガン、ホウ素が不溶化し、養分として吸収できません。
4. 肥料やけや過湿などによる根痛みの対策に
果菜類では生育の後半に収量が増加しますが、着果数が増えるほど老化ホルモンも増加し、根痛みを起こしてゆきます。
5. 冬期低温時
地温が14度以下になると、根の活動が鈍り肥料が吸収されにくくなります。
6. 接木した作物に
接木をした場合、穂木との組合せによっては、吸収されにくい成分がでてきます。 台木の養分吸収が必ずしも地上部の穂木に都合の良いものとは限らないためです。
7.梅雨期前後のケアに
酸性雨(ph4)などによる養分の溶脱も多い時期で、果樹などでは、生理落果の 時期と重なります。 |
■おいしくて高品質の作物をたくさん収穫するためには、微量要素(ミネラル)の補給を欠かすことはできませんが、微量要素の特徴をよく理解し、リン酸、カリといった多量要素とは大きく違うという認識を持つことが必要です。
1. 微量要素を施用するばあいには土壌pHの調整が重要です。たとえ、緩効性のものでもpH調整が不充分であればかえって悪い結果を招くことがあります。また、一つの微量要素が欠乏している時は、他の微量要素もだいたい欠乏しているものです。
2. 微量要素の欠乏の原因はきわめて複雑で塩類濃度、腐植含量、他の肥料成分バランス、酸化還元電位、地温などにより左右されます。更に作物の条件として、土壌の乾燥や、根が痛んでる場合なども欠乏症の原因です。
3. 作物の成長は最小養分率(一番不足している栄養素)によって左右されますが微量要素の適用範囲はきわめて狭く微量のため、土壌施肥には細心の注意が必要です。土壌施用では窒素、リン酸、カリの三要素にカルシウム、マグネシウムを加えた5要素のバランスを調整することが一番重要です。
また、微量要素資材は過剰に対する対策がないため、安易な投入はゆるされません。投入の際には上記の要因を踏まえた上で慎重の上にも慎重に行う必要があります。
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■葉は光合成を行うエネルギーの生産工場です。微量要素の多くはマグネシウムと共に葉緑素、酵素を構成して光合成をおこないますが、この工場に原料を直送する方法が微量要素の葉面散布です。非常に効率が良く、土壌の理化学性にも左右されません。
■窒素、リン酸、カリなどの多量要素は葉面散布では充分に補えませんが、微量要素は葉面で充分に補給が可能です。 |
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■散布する時は全体にむらなく散布することが重要ですが、葉の裏面には気孔が多いため、裏面のほうが吸収率が高いことがわっかています。
■また同じ葉面でも若い葉の方が吸収力があるので果樹では展葉期からの散布が果実の細胞分裂期や、生理落果時期と重なるので非常に効果的です。 |
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