1.症状
内部組織(維管束・髄など)が侵されて組織が崩壊する場合と、葉、茎、果実の表面が侵されて小斑点を形成される場合がある。
茎の内部の組織が侵されている場合は、下位葉が葉柄とともに垂れ下がり、葉身は周りの縁からしおれ、乾燥して上方に巻き上がる。やがて、葉脈間が黄化して、葉全体が褐変枯死する。
被害株の茎、葉柄の髄は黄変して粉状になり中が空洞になる。
病勢が進むと、葉、葉柄の表面に褐色のかいよう状や縦に亀裂が生じる。
果実は奇形になり導管に沿って変色する。
表面が侵されている場合は、葉、葉柄、葉、がく、果柄および果実に、白色〜褐色の隆起したコルク状のやや小斑点を形成する。
果実の表面には、径2mm〜3mmで白く縁どられた鳥の目状の斑点が形成される。
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▲全株病徴
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▲株全体の症状
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▲葉の巻き上がり
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▲茎、葉の病徴
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▲全茎、葉の病徴株病徴
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▲全茎、葉の病徴株病徴-拡大
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▲茎の内部はオガクズ状化する
2.発生の仕組み
第一次伝染は、種子伝染と土壌伝染である。
第二次伝染は、管理作業などによってできた傷から侵入する。
発病適温は25℃〜27℃である。
3.防ぎ方
消毒済みの種子を購入するか、種子を消毒する。
汚染した土からも汚染するので土壌処理を行う。
かいよう病に耐病性のある台木を使用する。
資材からも感染するので、育苗用土は新しい物を購入する。
発病圃場では、農業資材も消毒する。
発病した場合は、直ちに防除薬剤を散布する。
薬剤として、カッパーシン水和剤がトマト、ミニトマトに利用できる。
マルチシートをすることで発病が軽減できる。
ハサミなどの使用器具も消毒する。
注)2003年の改正農薬取締法施工に伴い、「トマト」と「ミニトマト(直径3cm以下のもの)」とは農薬登録にかかる薬効・薬害の取り扱い上、別個の作物分類に属する事になりました。
したがって、「トマト」に登録のある農薬を「ミニトマト」に使用される場合は、必ず「ミニトマト」に対する登録の有無をご確認ください。
4.かいよう病対策の農薬・資材・台木
農薬
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カッパーシン水和剤
特長1
「塩基性塩化銅」と「カスガマイシン」の混合剤で安定した効果が期待できます。
特長2
2つの有効成分の働きにより、糸状菌および細菌による多くの病害に対して優れた効果を示します。
資材
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NEWジョッキン
ポータブル電熱式除菌バサミ
切ると同時に電熱除菌!
刃先の温度約100℃に上昇
バッテリーフル充電でおよそ2時間半連続使用可能!
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熱ハサミ
作物をウイルスや菌から熱で守る
ガスと触媒を利用して、刃自体が高温になることにより、ハサミに付着した汁液内のウイルスを熱で自動消毒できます
台木
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グランシールド
青枯病に極めて強い耐病性と
スタミナを兼ね備えた期待の台木トマト●草勢:やや強
●根量:やや多め
●根の太さ:中太
●根域:浅+深耐病性
青枯病に極めて強い耐病性がある。
褐色根腐病に対しても強度の耐病性。
かいよう病にも耐病性がある。生育の特長
太根が比較的多く張り、細根の発生もよい。初期草勢は中程度、後半に向けて強くなる。
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アシスト
青枯病に強度の耐病性、かいよう病にも強い
草勢強く長段栽培にも向く台木トマト●草勢:強
●根量:中~やや多め
●根の太さ:中太
●根域:深耐病性
青枯病に強度の耐病性がある。
褐色根腐病に耐病性。
かいよう病にも耐病性がある。生育の特長
太根主体で深く張り、地温の変化や乾燥の影響を受けにくく草勢が安定する。地際付近に細根も張るため、肥料の吸収バランスもよい。
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