5.定番の
推奨品種ネオアースの栽培について・まとめ
ネオアースを上手に作りこなすコツ
強勢に作りすぎない!
ネオアース
長所 |
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強勢で作りやすい 肥大性がよく、貯蔵性も高い 抽苔や分球が少ない |
短所 |
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早植えや多肥で強勢になりすぎる 葉から玉に侵入する病害により玉の腐敗を助長 |
2022年4月下旬 兵庫県
上手に作ろうとしすぎないことが、ネオアースを上手に作るコツ!
適期播種/適期定植を守る
播種適期9月下旬
定植適期11月中下旬〜12月上旬
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早すぎる播種/定植
抽苔や分球を助長。腐敗も増加。
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遅すぎる播種/定植
小玉になり、追肥で追いすぎると窒素の遅効きで熟期遅れ(梅雨期)、変形球(内分球)の増加や貯蔵性の低下など。
ネオアース = 特に生育が旺盛 ※一般的には作りやすい
早すぎる定植、多肥栽培、遅い追肥などを避ける (地上部が強勢になりすぎる場合あり)
★特に、暖地では12月定植が一般的
適期播種/適期定植が基本!
適切な肥培管理
元肥:全量の1/2
追肥:全量の1/2
3回に分けて施用:1月上旬・2月上旬・3月上旬(最終)
3月中旬以降の追肥は避ける!
ネオアースは、通常より施肥をやや抑えめに!
玉の腐敗に関して(一般的に)
地上部が大きくなっていく時期から倒伏前後などが特に注意。
窒素過多や地上部が過繁茂しないように。
排水が悪い圃場、畝が低く通路に水が溜まっているような圃場は腐敗しやすい。
収穫のタイミング(早すぎも遅すぎも×)や収穫時の天候(雨天は×)なども大きく影響。
ネギアザミウマなどの食害から細菌性病害の感染も多い。
強勢なネオアースを強勢にし過ぎないように!
地上部の過繁茂で葉折れ、排水不良などでは、後半の病害への罹病が心配。
病原菌の多くは、水で拡がっていく。
過繁茂では、作業性が悪く、薬剤散布を行いにくく、薬液が葉の裏側までかかりにくい。
葉折れしやすく、折れた傷口から細菌が侵入。
適期収穫
貯蔵種は、倒伏揃い1週間後が収穫の目安。早抜きも収穫遅れも腐敗しやすくなる。
※倒伏揃い=圃場全体が約8割倒伏した状態
ネオアースは、地上部が強勢のため、風雨などで本来の倒伏前に倒される場合がある。
ネオアースに限らず、肥料が遅効きしている場合も、芯葉(止め葉)が立ち上がりやすい。
“きれいに”扇状に倒伏しているタマネギ。芯葉が起き上がっていない。
雨風で倒されたタマネギ。まだ倒伏に至っていない。
葉が再度立ち上がっているタマネギが多い。ほぼ倒伏揃い。
芯葉が起き上がっているタマネギ。
倒伏揃い期を見極めて、腐敗の少ないタマネギを!
長く貯蔵する方法
品種の選択(高貯蔵種;ネオアースやケルたま)と極端に大玉を狙わない栽培を。
休眠を深くする栽培が大切(窒素過多×、窒素遅効き×、早抜き×など)。
農業用ハウスなどで乾燥
短期間40℃程度まで
最上部は日焼け注意
倉庫などで貯蔵
低温低湿度が良(黒かび防止)
扇風機等で風通し
まとめ
タマネギを栽培するにあたって、
基本となる中生~晩生(貯蔵種)を主体に栽培を計画
早生種、中生~晩生(貯蔵種)それぞれにあった栽培方法を理解
特に、適期播種/適期定植は重要
その上で、品種の特長を活かす栽培方法をプラス
例)
ネオアース:強勢なので、作りすぎないように注意(早まき早植え注意)
ケルたま:ネオアースより熟期の遅い晩生だが、やや早めの定植(植遅れ注意)