ダイコン
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赤芯症
症状
外観的には問題ありませんが、肥大根内の中心部が赤褐色に変色します。
原因
ホウ素欠乏が直接的な原因で、土壌の高pH、高温・乾燥で助長されます。
対策
・pHを矯正します。
・ホウ素含有肥料を施用します。
・地温の抑制、水分保持のためにシルバーマルチを使用します。
・夏つかさシリーズ、蒼春、NIKURAなどの耐性品種を使用します。
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青変症
症状
①内部に青色の色素が生じます。
②漬物にした場合、酸に反応してピンクや褐色に変色することもあります。原因
・降雨の続く低温峙に収穫された物が、消費者に購入された後に暖かい部屋で保存された際に発症することが多いです。
・直接的な原因は不明です。対策
・畑の水はけを良くしてホウ素、苦土、カリなどのミネラル分や微量要素を投入して地力を確保してください。
・貯蔵中は暖かい部屋に放置しないように注意してください。
・青変症に耐性を持つ品種の使用をお願いします。
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こぶ症
症状
主根の一部が異常肥大し、こぶ状になります。
原因
は種~生育初期の高温・過乾燥により助長されます。
対策
・地温の抑制、水分保持のためにシルバーマルチを使用します。
・生育初期に寒冷紗で被覆します。
・は種時に充分な潅水を行います。
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軟腐病
症状
株元が腐り、悪臭を発します。
原因
・地上部(葉)ができすぎて、根の上(首)部の生育が追いつかずに割れる、もしくは亀裂褐変症等により肌が傷つき、そこから発生します。
・肥大期前に乾燥し、根の皮に柔軟性が無くなった後、降雨により肥料・水分を急激に吸った結果、根の中央部~下部で割れて、そこから発生します。対策
地上部ができすぎる畑では、元肥チッ素量を減らし、「割れ」を抑制します。
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横縞症
症状
根の皮目に沿ってすじ状に、褐変化します。
原因
・リゾクトニア菌やピシウム菌などが原因とされ、高温多湿により助長されます。
・逆に生育期前半の高温乾燥により発症する場合もあります。対策
・病原菌に起因する前者の場合では、は種時の登録薬剤処理、排水対策(ほ場の選択、高畝栽培)などが必要となります。
・高温乾燥に起因する後者の場合では、こぶ症と同様な対策が当てはまります。
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わっか症
症状
根部表面に10mm程度以下の黒褐色のリング状病斑を生じます。
原因
・白さび病菌が原因とされます。
・は種から収穫にかけて低温に向かう作型で、生育期前半の過湿条件により助長されます。対策
・生育初期の皮層はく離の時期を中心とした、白さび病予防の登録薬剤処理を行います。
・通気を良くするために、条間・株間を広げること、葉のできを抑えることも発病予防となります。
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黒斑細菌病
症状
①葉に水浸状の小斑点を生じ、やがて黒褐色に変わり、斑点が拡大して周囲が黒く縁どられた灰色~褐色の病斑となります。
②病気が進行すると根頭部は、灰色の小斑点を生じ、次第に不整円形に黒変して、根内部まで黒色、褐色に変色します。また落葉し、根の肥大も悪くなリます。原因
・病原菌である細菌が風雨によって飛散し、害虫による傷口や葉の気孔などから侵入し発病します。
・チッ素質肥料の不足で生育が緩慢になった時に助長されます。対策
・強風雨後や台風後に登録農薬を散布します(銅水和剤は薬害に注意)。
・生育中期以降は肥切れを起こさない肥培管理を行います。
・アブラナ科野菜の連作を避け、土壌中の菌密度を低下させます。
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べと病
症状
①葉ではまず輪郭不鮮明な黄緑色の斑紋ができ、しだいに拡大して灰白色の病斑をつくります。
②根では、表皮下に不整形の褐色斑点を生じ、その内部に大小不同の褐色斑点がかすり状に点在することもあります。原因
・秋~冬、平均気温が10℃以下になると一時的に発病します。
・春は8℃くらいで降雨にあうと発病が助長されます。
・肥切れすると発生が多くなります。対策
・予防として、生育初期から殺菌剤を散布します。
・多発ほ場では連作を避け、被害残渣はほ場内に放置しないようにします。
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黒斑病
症状
①葉や葉柄や胚軸に感染すると、褐色の小さな斑点を生じ、やがてその病斑が大きくなリます。生育が衰えた株や葉に発生してから、新しい葉に広がリます。古くなった病斑上には輪紋がみられます。
②幼病期に肩部に菌が侵入すると、侵入部分が枯死し、亀裂が生じることがあります。原因
・土の中に存在するアルタナリアという糸状菌による病気です。
・ハウス、トンネル栽培など夜温が低くなり肩に凍害を受けたり、降雨が続き枯葉が肌に付着して多湿になると、菌の繁殖を助長します。
・露地栽培でも秋季温暖で雨が多いと発生します。対策
・ハウス、トンネル栽培では防寒と換気に注意してください。
・アブラナ科野菜連作を避け、生育後期の肥切れに注意してください。
・登録のある殺菌剤を散布して予防散布してください。
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キスジノミハムシ
症状
根部表面がサメ肌状、孔状となります。
原因
・キスジノミハムシはアブラナ科根菜類の重要害虫で成虫、幼虫とも加害します。
・夏期(7月中旬~9月下旬)の被害が著しい傾向にあります。対策
・は種時に登録のある殺虫剤を土壌混和したり、生育初期に登録農薬を散布します。
・アブラナ科以外の輪作体系や近隣のアブラナ科雑草の除草でキスジノミハムシの密度を下げます。
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タネバエ等の幼虫による食害
症状
①子葉から順に本葉が萎れ枯死します。
②萎れた株を抜くと立枯病のように地際部がくびれて褐変しています。
③生育後半の根部への食害ではやや長い食害痕となり裂根を伴うこともあります。原因
・未熟堆肥や鶏ふんなどの臭気の強い有機質肥料が成虫を誘引します。
対策
・完熟堆肥を用いる場合は前年の秋に投入するようにします。
・は種時に登録のある殺虫剤を土壌混和します。