
「おおもの」コーン栽培
- 熟期は88日タイプの中晩生。
- 皮付穂重500gを狙えるビックサイズ。
- 糖度は20度前後で、食味が非常に良い。
- しなびにも比較的強い。
- 草丈は180〜200cmと大きいが、根張りが良く、倒伏に強い。
- 抑制栽培も可能。
栽培のポイント根張りのよい樹を作りましょう!
- スイートコーンはあまり手間を必要としない植物です。
- 栽培のなかで一番重要なポイントは土つくり!!
- 畑の準備が十分でないと、根張りに影響し、肥大不良、しなび、倒伏の発生を助長してしまう!!
圃場の選定
スイートコーンは光を多く必要とする。
周辺に障害物のない、日当たりの良い場所を選びましょう。
水はけのよい肥沃な場所を選びましょう。
土質はあまり選ばないが、降雨後に畑 が冠水したり、常に乾燥しやすい場所は 好まない。
キセニア防止
デントコーン(飼料用)が周囲で栽培されていると交雑による品質低下(糖度、粒皮硬化)が発生する可能性あり。スーパースイート系のバイカラー、ホワイト種は問題ない。
土作り
耕土 が深く有機物を多く含んだ畑つくり
深根性の植物で、良い畑では50〜80cm伸びる。
堆肥、土壌改良材の投与(最適pH6.0〜6.5
プラウ耕
施肥設計(元肥) 10a
10a あたり N:20kg 前後 P:25〜30kg K:20kg 前後
播種準備(畝作り)
栽植 密度 4,000本/10a
ベッド幅75cm、通路幅 75〜95cm、株間30cm、条間45cm、2条千鳥マルチ仕様:9230
- トンネル栽培では、早め(2週前)のマルチ・トンネル張りを行い、地温確保。
- 排水性の悪い圃場は高畝とする
- マルチを張る前の土壌水分は適正に。
栽培のポイントおおものは低温発芽に注意!
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「おおもの」の最大の弱点は、低温時の発芽 ~初期生育が緩慢な事。
ハウス内でのセル育苗の場合も、電熱線によって発芽適温25〜30度を!
直播きの場合は2週間前にはマルチ・トンネルを準備して地温蓄積に努める!
(必ず3粒!最低地温14度を目標に!)
(かつ、捕植用に1~2割セル苗を準備できれば完璧です!)
播種~間引き
- 直播 1穴 3粒、離して播種。 深さ3cm。
- 移植(定植)本葉23枚の若苗定植を徹底
(スイートコーンは根が非常に敏感。移植はあまりおすすめできない。) 間引き
本葉3-4枚の時期に行う。
小さい株や、極端に大きい株を除去(大きさを揃わせることが重要)
抜き取らずに、ハサミやナイフで株元から切り取る(抜き取ると残したい株の根を傷める可能性)
トンネル管理
- 日中 30〜35℃、夜間20℃前後目標で管理。
- 光が少なく、軟弱徒長しやすいので、保温過多には注意
- 換気はスソ換気もしくは、穴開け換気
- トンネル上部に茎葉が達したら除去(除去する10日くらい前から、日中はできるだけ大きく換気=順化させる)
幼穂形成期
本葉5〜8枚(膝下くらいの高さ)のステージが最も重要な時期。 この時期に、環境ストレスを受けるといろいろな問題が生じる。
高温、低温、乾燥、浸水、加湿、遅霜、日照不足
先端不稔、第1雌穂の肥大不良、副房の発生、雄穂の雌化、粒列の乱れ etc
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追肥、灌水
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追肥のタイミング
本葉5〜8枚の時期~雄穂の出穂前
絹糸抽出後の追肥は効果がありません。 - N成分で4〜5kg/10aを通路に施肥
- 降雨後などに行うのが効果的
- 開花期~受粉期には十分な水分が必要。乾燥しているようであれば、通路灌水を行うと良い。
- 幼穂形成期は、環境ストレスに敏感なため、水分管理には気を付ける。
無除房、無除けつ
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分げつは取り除かない!
葉面積の確保、花粉の確保、倒伏防止につながる。第2雌穂以降は取り除かない!
第1雌穂が優先的に大きくなる。
取り除く際に、茎葉を痛めると、逆に収量低下の原因となる。
病害虫防除
- アブラムシ、アワノメイガ、ヨトウムシなどは、必ず発生する。定期的な薬剤散布を心がける。
- 散布時期としては、雄穂出穂頃に1回、その後7〜10日おきに2〜3回行うと良い。

アワノメイガ

ヨトウムシ

食害
トッピング
- 授粉終了後に雄穂を切り取る
- 倒伏の軽減、害虫の軽減ができる
- 葉は全て残すこと(雄穂のみ除去)
収穫
- 適期収穫を心がける。
- 絹糸の注出日(畑の80%以上の株で見られた日)より20〜25日後が収穫の目安。(あくまでも目安です。作型、気候により変化)
- 絹糸が褐色に枯れあがる時
- 必ず試し取りが必要
未熟

全体の着色が薄く、特に先端部が未成熟。
先端部では粒の隙間が目立つ。
収穫開始

先端の粒が膨らむ。
先端の着色がやや薄く色付く。
収穫適期

全体に着色し、艶がある。
収穫遅れ

粒皮が濃く、粒のしなび、陥没が見られる。