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パンジー・ビオラ
(秋出しポット栽培)
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パンジー・ビオラ
(秋出しポット栽培)
令和2年11月6日(金)神奈川県農業技術センター(平塚上吉沢)にて実施した。農林水産省による令和元年度の花き生産統計によると、神奈川県における花壇苗全体の作付け面積は68.3haで出荷量は2,200万本となっており、そのうちパンジー類の作付け面積は20.0ha、また年間の出荷量は724万ポットと、全国でもトップレベルの規模の産地である。
審査会の開催に際しては、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策として、①原則として屋外または風通しの良い場所で実施②審査員が密集しないよう間隔に注意して審査を行う③会場での滞在時間は最小限にとどめる、といった措置を取りながら行うこととなった。
開始にあたり、栽培担当機関を代表して西田周史・所長より御挨拶があり、続いて農研機構野菜花き研究部門花き遺伝育種研究領域の小野崎隆·品質育種ユニット長を審査長として打ち合わせを行い、栽培を担当された田所賢哉・技師より耕種概要の説明があった後に、圃場に移動して立毛100点満点の審査を実施した。
温室での審査風景
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耕種概要
栽培場所
神奈川県農業技術センター内ガラス温室および露地ほ場
試供品種
17点
栽培規模
1区40株、2区制
播種
8月12日 メトロミックス350Jを充填した288穴セルトレイに播種した。
育苗
播種後、20℃設定の実験室内で5日間管理し、ガラス温室に移勧した。ガラス温室内では70%遮光下のベンチ上で育苗した。
鉢上げ
9月7日に10.5号黒ポリポットに鉢上げを行った。
培土は、赤土:腐葉土:ピートモスを容積比2:1:1で混合し、これに基肥を混合したものを使用した。鉢上げ後はガラス温室内で管理し、9月24日以降は露地ほ場に出して管理した・施肥
基肥
エコロング413-100 2g/L、重焼燐 2g/L、苦土石灰(タイニー) 2g/L
追肥
栽培期間中(8月25日~11月6日)でピータース液肥を6回、プロミック粒材を2回施用した。薬剤散布
使用基準に基づき、以下の通り薬剤を散布した。
9月16日 ダコニール1000 1000倍、ダントツ水溶剤 4000倍 9月25日 トップジンM水和剤 1500倍、アファーム乳剤 2000倍 10月2日 ダコニール1000 1000倍、フェニックス顆粒水和剤 2000倍 10月13日 トップジンM水和剤 1500倍、オルトラン水和剤 1000倍 10月22日 ダコニール1000 1000倍、アファーム乳剤 2000倍 管理
株の生育を促すため、10月26日まで適宜摘花を行った。なお、わい化剤は使用しなかった。
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生育期の気象経過および生育状況
気象経過について、播種直後から9月中旬までの気温は平年より高く、日射量も多く推移した。9月中旬から10月上旬にかけては気温、日射量ともに平年並みだった。10月上旬の気温は平年前みであったが、10月8日前後は平年より大きく低下し、日射量が少なく、また降水量は平年より多かった。その後数日の気温は平年より高めに推移したが、10月中旬から下旬にかけての最低気温は平年より低く推移し、日射量は平年より多かった。また栽培期間全体を通して、降水量は10月8日前後を除いて平年より少なかった。また、本年度は台風の上陸がなく、長雨や大雨も少なかった。
生育状況について、開花の最も早い品種では9月28日に開花し始めた。開花始めから50%開花に達するまでの期間は最も短い品種で4日間であった。一方、開花の遅い品種では10月12日の開花開始となり、11月4日の調査時で開花率が90%に達しない品種もみられた。
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閉会および入賞品種の検討
審査の終了後、小野崎審査長より審査会の準備にご尽力された神奈川県農業技術センター関係者への御礼と併せて閉会のご挨拶が述べられた。
参加者の滞在時間を短縮するため審査を終えた参加者にはそのまま解散して頂き、審査結果は後日、参加者および関係者に通知することとした。
集計された採点結果をもとに小野崎審査長と公的審査員ならびに事務局による検討会議を行い、下記の通り入賞結果を確定した。
審査結果【パンジー・ビオラ(秋出しポット栽培)】(100点満点)
順位 得点 等級 品種名 出品者 1 87.82 1等特 クイックタイム ブルーパープルジャンプアップ ㈱ミヨシグループ 2 84.82 2等 K7-1107 ㈱サカタのタネ 3 83.82 3等 クイックタイム イエローブルージャンプアップ ㈱ミヨシグループ 4 83.55 3等 フローラルパワー イエローレッドウイング タキイ種苗㈱ 1等特別賞「クイックタイム ブルーパープルジャンプアップ」
1等特別賞「クイックタイム ブルーパープルジャンプアップ」拡大図
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審査員内訳
官公審査員
・農研機構 野菜花き研究部門
・群馬県農業技術センター
・千葉県農林総合研究センター
・東京都農林総合研究センター
・神奈川県農業技術センター日種協
・花き栄養繁殖性植物部会員
・神奈川県支部会員