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キンギョソウ
(秋出し)
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キンギョソウ
(秋出し)
令和2年11月13日(金)静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センター(賀茂郡東伊豆町)にて実施した。
伊豆農業研究センターでのキンギョソウ審査会は今回で7年連続の開催となった。早晩性の異なる品種の開花を揃えて同日に審査するため、播種日を2回に分けて栽培して頂き、品種の早晩性により出品各社がいずれかの播種日を選択することとした。
審査会の開催に際しては、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策として、①原則として屋外で実施②審査員が密集しないよう間隔に注意して審査を行う③会場での滞在時間は最小限にとどめる、といった措置を取りながら行うこととなった。
審査会の開始にあたり、伊豆農業研究センターを代表して佐々木俊之・センター長よりご挨拶を頂いた。続いて農研機構野菜花き研究部門花き遺伝育種研究領域の間(あいだ)竜太郎・領域長を審査長として審査手順などの打合せが行われ、栽培を担当された加藤智恵美・上席研究員より耕種概要の説明が布った後に、立毛100点満点の審査を実施した。
審査温室内の様子
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耕種概要
栽培場所
静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センター 11号ガラス温室(標高130m)
土質
黒ボク土
試供品種
12点
栽培規模
1区66株、2区制
早晩性により出品品種を2グループに分け、2週間ずらして播種~定植~摘心を行った。(グループ①:1品種、グループ②:11品種)播種
グループ①は7月14日、グループ②は7月28日に播種した。
しなのセル培土を用土とし、ガーデンパンに充填した上にばら撒きした。覆土はせず管理した。定植
グループ①は8月11日、グループ②は8月24日に定植した。
栽植様式
床幅80cm、条問10cm、中2条空け6条植え、株間20cm
管理
土壌消毒については、作付け前に蒸気消毒を行った。
摘心については、グループ①を8月26日に、グループ②を9月7日に、本葉が6枚展開したことを確認し、本葉4枚を残し摘心した。温度管理について、10月16日までは昼夜なりゆきの温度とし、10月16日以降は夜温15℃、昼間は8時から15時まで開放した。施肥
基肥
バーク堆肥 2,000kg/10a、エコロング413 (70日タイプ)80kg/10a
追肥
エコロング413 (40日タイプ) 36kg/10a
合計成分量
【N:P:K=16.2:12.8:15.1(kg/10a)】薬剤散布
使用基準に基づき、薬剤を散布した。
8月11日 オンコル粒剤5(グループ①定植時) 8月24日 オンコル粒材5(グループ②定植時) 9月7日 トップジンM水和剤 9月16日 アクタラ粒剤 9月25日 マッチ乳剤、サンヨール 10月5日 アファーム乳剤 10月26日 スピノエース顆粒水和剤、トリフミン水和剤 -
生育期の気象経過および生育状況
供試品種を早晩性により2グループに分け、晩生のグループを早生のグループより2週間早く播種した。その後の定植、摘心もそれぞれ2週問ずらして行った。
全ての品種で発芽の揃いは良いものの、その後の生育は緩慢で、例年より小さい苗を定植した(例年:本葉3~4節展開、今年度:本葉2~3節展開)。
定植後は生育が停滞することはなく、順調に生育した。
9月下旬から鱗翅目類幼虫の発生がみられたため薬剤散布を行い、その後も定期的に散布を行ったため、生育に影響は無かった。病害による欠株はみられなかった。
10月19日、発蕾が揃った時点で追肥を行った。
開花開始は最も早い品種で10月中旬、遅い品種で11月上旬であった。審査の様子
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閉会および入賞品種の検討
審査の終了後は、間審査長よりご挨拶が述べられ閉会となった。
参加者の滞在時間を短縮するため、審査を終えた参加者にはそのまま解散して頂き、審査結果は後日、関係者に通知することとした。
集計された採点結果をもとに間審査長と公的審査員ならびに事務局で検討会議を行い、下記の通り入賞結果を確定した。
審査結果【パンジー・ビオラ(秋出しポット栽培)】(100点満点)
順位 得点 等級 品種名 出品者 1 84.55 1等特 TK-941(レジェゴールド) タキイ種苗㈱ 2 83.18 2等 TK-912(レジェスノー) タキイ種苗㈱ 3 80.82 3等 フェアピンク ㈱ミヨシグループ 4 80.36 3等 Avignon Deep Orange
(アビニョン ディープオレンジ)カネコ種苗㈱ 1等特別賞「TK-941」(レジェゴールド)
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審査員内訳
官公審査員
・農研機構野菜花き研究部門
・埼玉県農業技術研究センター
・千葉県農林総合研究センター暖地園芸研究所
・神奈川県農業技術センター
・静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センター日種協
・花き部会員
・静岡県支部会員