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e-種や|野菜種、花種と苗の三重興農社

全日本花卉品種審査会 ユーストマ

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ユーストマ

(冬出し)

令和3年2月18日(木)高知県農業技術センター(南国市廿枝)にて実施した。高知県での審査会開催は今回で4年連続となるが、ユーストマの切り花単価が高くなる冬~春出し作型の審査会は産地振興において重要なテーマであり、高知県農業技術センター関係者のご協力には深く感謝を申し上げる。今回は、生育期間を通して極端な気象変動はみられず、募集時に想定していた2月中下旬での開花特性を十分に評価できる審査会となった。

審査会の開催に際しては、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策として、①原則として屋外または風通しの良い場所で実施②審査員が密集しないよう間隔に注意して審査を行う③会場での滞在時間は最小限にととめる、といった措置を取りながら行うこととなった。

また、感染症の拡大による1月7日以降の緊急事態宣言の発令を受けて、今回の審査長を務められる農研機構野菜花き研究部門花き遺伝育種研究領城の小野崎隆・品質育種ユニット長は、リモート会議システムによるご参加となった。

審査会の開始にあたり、当日の進行を務める日本種苗協会花き専門委員会の谷口和範・委員(住化農業資材㈱)より代表謝辞があり、栽培を担当した山田美保江・研究員より耕種概要の説明を頂いた後に、立毛100点満点による審査を実施した。

会場となった農業技術センター

会場となった農業技術センター

  • 耕種概要

    栽培場所

    高知県農業技術センター内ビニールハウス(単棟、間口7.5m、奥行き20m)
    (外張り POフィルム、内張り:塩化ビニル(天井部は11月4日に展張))

    前作

    ユーストマ

    土質

    埴壌土

    試供品種

    26点(参考品種:レイナホワイト)

    栽培規模

    1区36株、2区制

    播種

    7月14日 野菜養土Sタイプ(ヤンマー㈱)を入れた406穴セルトレイに播種し、かん水後、10℃暗黒下の冷蔵庫内で3週間冷蔵処理した。

    育苗

    6:00~19:00は25℃、19:00~翌6:00は15℃を目標に管理する冷房育苗ハウス内で8月4日から育苗した。冷房育苗ハウス内で8月4日から育苗した。冷房育苗ハウスは南、北2棟を使用し、8月26日に北棟から南棟に移動した。北棟では白色寒冷紗を常時展張し、南棟では晴天時に遮光率60~65%の黒色遮光資材(ダイオシート8号)を展張した。子葉展開後、液肥を週1~2回施肥した。

    定植

    10月1日に、幅150cmの畝に10cm x 10cm x 6目のフラワーネットを利用して、中央2目を空けた4条植えで定植した。(苗令は本葉1.7~2.5対)

    管理

    6月16日にバーク堆肥を施用して、7月末までの間湛水処理を実施した。9月8日に基肥を施用して畝立てした後に蒸気消毒機で9月10日に土壌消毒を行った。
    定植後から11月10日までは25℃を目標に強制換気し、夜温はなりゆきで管理した。
    11月11日からは日中25℃を目標に強制換気し、夜間15℃を目標に加温した。
    かん水は、畝上に設置した2本のエバフローM型を用いた。定植日から10月16日までは畝が乾かないように圃場全体に散水した。 12月21日に畝の表面が満遍なく湿る程度に散水し、エバフローM型を2本とも下向けにして畝全体が湿るようにたっぶり灌水した。これ以降は下位葉の萎れが確認された際に10分程度株元にかん水した(1月7、13、19、25日、2月1、8、12、15、16日)。主茎の頂花は発蕾後に摘蕾し、頂花の着花節とその下1~2節の腋芽を3本を目標に残し、それ以外の主茎からの腋芽は摘芽した。側枝に発生した腋芽および花蕾は放任とした。

    施肥

    基肥 バーク堆肥 4000kg/10a
     エコロング413 成分量換算N:P:K= 8.0 : 6.3 : 7.4kg/ 10a
    追肥 (育苗時)くみあい尿素複合液肥2号 (10-4-8)週1〜2回
    追肥 (本舗)くみあい尿素複合液肥2号 (10-4-8)成分量換算N:P:K=1.0: 0.4: 0.8kg/ 10a

    薬剤散布

    定植前に殺虫・殺菌剤を1回(9月25日)、定植後に、殺虫・殺菌剤を4回(10月21日、11月12日、12月10日、1月19日)使用した。

  • 生育期の気象経過および生育状況

    栽培期問中の気象条件について、気温は平年と比較して12月中旬、1月上旬を除き、同じかやや高く推移した。

    日照時間は平年と比較して、8月中~下旬、9月下旬~10月下旬、11月中旬~2月上旬は長く、9月上~中旬、11月上旬は短かった。

    降水量は平年と比較して、9月上~中旬、10月上下旬、11月上旬、12月および1月の下旬に多く、8月、9月下旬、 10月中旬、11月下旬~12月中旬および1月上~中旬、2月上旬は少なかった。

    施設内気温の推移について、育苗中(8月5日から9月30日)の冷房育苗室において、最高気温は25~30℃で推移し平均は27.4℃であった。最低気温は12℃前後で推移し、平均は12.7℃であった。なお気温の測定は、地面から60cm高の育苗棚上に置いた苗付近の通風箱内に設置したデータロガーで行った。

    栽培圃場において、昼温は10月16日までは25℃以上で推移し、10月17日は概ね20~25℃で推移した。夜温は11月10日までは8~21℃で推移し、11月11日以降は概ね15~16℃で推移した。

    生育および開花状況については、出品品種の一部で葉先枯れが発生したが、概ね症状は軽く葉先のみの発生であった。ロゼット株は全品種で発生しなかった。

    発蕾日は、出品品種のうち11品種で概ね参考品種「レイナホワイト」並みの12月中旬、3品種で12月上旬、9品種で12月下旬、3品種で1月上旬であった。

    節数は、最も少ない品種で12.4 となり、最も多い品種では20となった。

    まだ未開花の株もみられたが、2月17日時点での開花株率は、出品品種のうち3品種で両反復区ともに100%、7品種で反復区のどちらかが100%となり、12品種で両反復または反復区のいすれかが85~95%であった。両反復区または片方の反復区で20%以下は4品種であった。

    また、1輪以上の開花が認められた開花日は、開花の早かった2品種で1月下旬であり、9品種がレイナホワイトより遅く、その他はレイナホワイトと同等であった。

    側枝数は、全て1 株当たり2.5本以上で、多い品種では1 株当たり3本であった。

    病害については、ウイルス病のIYSV(アイリス·イエロー·スポット・ウイルス)や立枯病が散発した。茎が冒され、萎れが激しい株は除去した。また発蕾時に茎、花首が折れる症状が一部で発生した。

    審査温室全景

    審査温室全景

    密を避けながら審査を行なった

    密を避けながら審査を行なった

  • 結果および講評

    審査の終了後には、生産環境課病理担当の岡美佐子主任研究員ならびに沖友香研究員より、高知県農業技術センターでの研究成果として「トルコギキョウ(ユーストマ)斑点病の発病と温湿度の関係」の試験経過に関する簡潔な情報提供があった。

    その後、谷口委員より高知県農業技術センターへの御礼と併せてご挨拶が述べられ、閉会となった。

    会場での滞在時間を最小限とするため、審査を終えた参加者にはそのまま解散して頂き、審査結果は後日、参加者および関係者に通知することとした。

    集計された採点結果をもとに小野崎審査長と公的審査員ならびに事務局で検討会議を行い、下記の通り入賞結果を確定した。

    審査結果【ユーストマ(冬出し)】(100点満点)

    順位得点等級品種名出品社
    186.251等特プリマラベンダータキイ種苗㈱
    284.752等セレブ1型ラベンダー(F17-606)住化農業資材㈱
    384.002等K496カネコ種苗㈱
    483.003等グレイスラベンダー(F16-165)住化農業資材㈱
    83.003等19YEU91八江農芸㈱
    682.383等F16-157住化農業資材㈱
    781.383等ベールI型ローズ(TU-943)タキイ種苗㈱
    1等特別賞「プリマラベンダー」

    1等特別賞「プリマラベンダー」

    1等特別賞「プリマラベンダー」アップ

    1等特別賞「プリマラベンダー」アップ

  • 審査員内訳

    官公審査員

    ・岡山県農林水産総合センター農業研究所
    ・広島県総合技術研究所農業技術センター
    ・高知県農業イノベーション推進課

    日種協

    ・花き栄養繁殖性植物部会員
    ・高知県支部会員