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第66回 全日本花卉品種審査会 ユーストマ(秋出し)

66

ユーストマ

(秋出し)

令和2年10月13日(火)広烏県立総合技術研究所農業技術センター(東広島市八本松町)にて実施した。本年の栽培では、定植後の8月から9月にかけて気温が非常に高くなったことなどから出品品種の発薯や開花開始が大幅に早まり、それを受けて審査日を当初の予定よりも10日程早めて実施することとなった。

審査会の実施にあたり、新型コロナウイルスの感染拡大防止の対策として、①原則として屋外で実施②審査員が密集しないよう間隔に注意して審査を行う③会場での滞在時間は最小限にとどめる、といった措置を取りながら行うこととなった。

今回は農研機構野菜花き研究部門花き遺伝育種研究領域の山口博康・ゲノム遺伝育種コニット長を審査長として打ち合わせを行い栽培担当の梶原真二・研究員より耕種概要の説明があった後に、立毛100点満点の審査を実施した。

A区(スーパードレンベッド温室)

A区(スーパードレンベッド温室)

B区(地床栽培温室)

B区(地床栽培温室)

  • 耕種概要

    栽培場所

    広島県立総合技術研究所農業技術センター内プラスチックフィルム展張温室(標高224m)

    前作

    トルコギキョウ(A区)※B区は前作なし

    土質

    沖積土

    試供品種

    20点

    栽培規模

    1区40株、2区制

    播種

    5月25日 環境分解型被覆肥料を混合したメトロミックス350を充填した406穴ペーパーポットに播種した。底面給水させた後にポリフィルムで被覆し、10℃・暗黒条件の冷蔵庫内に6月29日まで静置した。

    育苗

    6月29日に冷蔵庫から搬出し、40%遮光の白寒冷紗を被覆したガラス温室において、22℃に加温して育苗した。育苗初期は6〜18時の1時間毎に30秒ミスト灌水した。

    定植

    8月3日に、10cm×10cm×6目のフラワーネットを利用して、中央2条を空けた4条並木として幅90cmのスーパードレンベッドヘA区を定植した。B区は畦波板で畝幅を70cmとした地床へ定植した。定植から9月22日まで40%遮光の白寒冷紗を被覆した。

    管理

    7月8 ~9日に蒸気消毒を行った。
    電照には100V75Wの白熱電球を用い、畝上1.5mの高さに間隔を2.5mx4mとして10球/a設置した。17時~22時と2時~7時に点灯させて20時間日長とした。
    昼間の昇温抑制を目的として、定植日から9月22日まで40%遮光の白寒冷紗を被覆し、晴天日は1日20回各15秒程度ミストを散布した。
    仕立て方法として、供試した各品種·系統の主茎頂花蕾は適時摘除したが、葉先枯れ症により芯止まりとなった株は放任とした。

    施肥

    育苗時:5月25日 環境分解型被覆資料(20-0-13)5g/L
    基肥:7月1日 バーク堆肥1,OOOkg/a
     7月6〜7日 ピートモス6L/㎡
    追肥としてOKF-1 (N濃度75ppm)を4回施用した

    薬剤散布

    広烏県病害虫防除基準に従い、殺虫剤を4回散布した。

  • 生育期の気象経遇および生育状況

    気象経過について、6月6半旬は最高、最低および平均気温ともほぼ平年並みであったが、7月6半旬までは最高気温が平年より低く推移した。8月3半旬~9月1半旬の最高気温、最低気温および平均気温とも高めに推移したが、それ以降は平年並みで推移した。

    降水量は、7月1半旬までは平年よりも少なく推移したが、7月2、3および5半旬には平年を大きく超える降水があった。8月1半旬から9月2半旬の降水量は平年より大幅に少なく推移した。9月5および6半旬には再び平年を超える降水があった。

    6月6半旬の日照時間は、平年並みであったが、7月1半旬から8月2半旬まで平年よりも短く推移した。8月3半旬から6半旬までは平年よりも長く推移したが、それ以降9月5半旬までほぼ平年並みに推移した。

    育苗温室(6月24日~7月29日)の日最高気温は25.0℃~42.0℃の範囲で推移し、日最低気温は21.0℃~24.9℃の範囲でそれぞれ推移した。日平均気温は26.9℃であった。

    栽培温室(8月3日~10月5日)の日最高気温は、26.0℃~40.9℃の範囲で、日最低気温は13.0℃〜26.3℃の範囲でそれぞれ推移した。日平均気温は27.3℃であった。

    定植後の生育状況について、発蕾開始日は、8月27日~9月1日であり、ほぼ一斉にとなった。発蕾日数は、最も日数が小さい品種・系統で24日、最も大きい品種・系統で29日となった。

    開花開始日は9月24日~10月6日であった。開花日数は、最も日数が小さい品種・系統で52日、最も大きい品種・系統で64日となった。

    10月18日時点の開花株率は18〜100%であり、20品種・系統のうち9品種・系統において90%以上の株が開花した。

    供試した20品種・系統においてロゼット株の発生はなかった。葉先枯れ症は20品種・系統のうち13品種・系統で発生し、うち3品種・系統ではほぼすべての株で芯止まりを生じた。また、9月に入って茎折れが一部の品種で発生した。

    審査の様子

    審査の様子

    1等特別賞「PF ダブルスノー」

    1等特別賞「PF ダブルスノー」

  • 閉会および入賞品種の検討

    審査の終了後、山口審査長より広島県農業技術センター担当者への御礼と併せ「本年の審査会では酷署に見舞われるなど極端な気象条件の中で栽焙となった。こうした中での栽培結果を情報として持ち帰って頂き、今後の育種の参考材料に活かして頂ければありがたい。」との講評が述べられ、閉会となった。

    参加者の滞在時間を短縮するため、審査を終えた参加者にはそのまま解散して頂き、審査結果は後日、参加者および関係者に通知することとした。

    集計された採点結果をもとに山口審査長と公的審査員ならびに事務局による検討会議を行い、下記の通り入賞結果を確定した。

    審査結果【ユーストマ(秋出し)】(100点満点)

    順位得点等級品種名出品者
    185.201等特PF ダブルスノー(SM6-593)㈱サカタのタネ
    283.402等SM8-563㈱サカタのタネ
    382.003等F17-610住化農業資材㈱
    481.503等F16-343住化農業資材㈱
    581.403等EU-729タキイ種苗㈱
    681.303等M9-985㈱サカタのタネ
    781.203等F17-306住化農業資材㈱
  • 審査員内訳

    官公審査員

    ・農研機構 野菜花き研究部門
    ・岡山県農林水産総合センター農業研究所
    ・高知県農業技術センター
    ・熊本県震業研究センター農産園芸研究所
    ・広島県立総合技術研究所農業技術センター

    日種協

    ・花き栄養繁殖性植物部会員
    ・広島県支部会員