江戸野菜とは
江戸野菜の始まりは江戸初期ということです。
商売や参勤交代などで地方から江戸に人が集まり、その人たちが持ち込んだ野菜を江戸近辺で栽培し、江戸の風土に合った野菜だけが固定種として根付きました。それが江戸野菜です。
急速な農地転用やF1交配種が出回るようになり、江戸野菜は姿を消しつつありました。
それに危機感を募らせた生産者さんたちが地道にその種子をつないで現在に至ります。
平成に入って伝統野菜が注目を浴びたことにより、江戸野菜を育てる生産者さんも増え、需要も増加しました。
固定種の魅力は、その風土が育てる味と形、野菜本来が持つ味のクセなどがあります。
伝統野菜の背景にある歴史もあわせて調べてみるのも、おもしろいですね。
今回は日本農林社で扱っている江戸野菜の品種の一部を紹介いたします。
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早生金町小蕪
明治末期、葛飾区東金町で改良育成された小蕪とされる。
根径4~5cm程度の早生種で、春から年内まで幅広く栽培できる。
浅漬けの他、味噌汁の実などで美味しい。規格 ●小袋(10ml)●1DL
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相柄砂村一本太葱
江戸時代に大阪から持ち込まれた葉ネギが、現在の江東区北砂南砂あたりで栽培されるうちに、根深の一本葱に変化したとされる。
寒さに強く、冬の収穫に適する。
肉質やわらかく、幅広い調理に適する。規格 ●小袋(10ml)●1DL
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白茎亀井戸大根
現在の江東区亀戸あたりで栽培されていた小ぶりで葉のやわらかいくさび型の大根。
直径8cm、長さ25~30cm程度が目安。
上品な辛みがあり、葉と根、両方使える。
おろしや漬物、きんぴらなど炒めてもよい。規格 ●小袋(10ml)●1DL
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大蔵大根
明治初期、世田谷区大蔵で改良育成された大根とされる。根径9~10cm、長さは50cm程度で白首、尻づまりが良い。
肉質はち密で良好、おでんなどの煮物や漬物に適している。規格 ●小袋(10ml)●1DL
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寺島なす
江戸時代の寺島村(墨田区東向島付近)で栽培されていたナス。
果実は丸みがみあり、つやのある黒紫色。
肉質は、加熱するとトロみが出ておいしい。
果長6~7㎝の小さめで収穫するのがポイント。規格 ●40粒(小袋)●100粒●1000粒
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練馬大長尻大根
練馬区周辺で栽培されていた沢庵大根。
白首で中心部がふくらみ、首と尻部は細いのが特徴。
深く耕された畑では1mもの長さにもなる。
沢庵のほか、おでんなどの煮物料理や、大根おろしなど幅広い料理を楽しむことができる。規格 ●小袋(10ml)●1DL●1L
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馬込半白胡瓜
大田区馬込付近で改良され、黒イボの短形半白胡瓜。
長さは16~18㎝、果皮、果肉ともにやわらかく甘みがある。
ぬか漬けや炒め物、煮物からサラダにも向く。
節成性で草勢が強いので、密植はさけて、採光性や風通しをよくして栽培するのがポイント。規格 ●20粒(小袋)●100粒
江戸川育成ごせきシリーズ
東京・後関種苗で育成された品種を、取扱ってございます。
中でも小松菜とベカナは根強く人気のある品種です。
小松菜は昔ながらのコクと深みのある味わい、ベカナや芯とり菜はクセなく浅漬けから炒め物まで広く調理にお使いいただけます。
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ごせき晩生小松菜
耐暑、耐寒性のある、周年栽培可能な小松菜。
葉片が茎の下まで伸びていて、葉肉も厚く、昔ながらの形。
小松菜本来の深みのある味わいが楽しめる。
味噌汁や油揚げと煮びたし、炒め物などに。規格 ●小袋(20ml)●1DL
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ごせき芯とり菜
若どりに適している、ちりめん白菜の一種。
芯の部分を摘み取り、吸い物などに利用したのがいわれとされる。
肉質やわらかく、クセのない味わい。
味噌汁や鍋、炒め物など白菜のように調理。規格 ●小袋(20ml)●1DL
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ごせきべかな
小束収穫向けの半結球山東菜。
半結球山東の株張りと山東菜の早生性を備えており、外葉は黄金色で厚く、中心葉はうすく白味をおびる。
味噌汁や浅漬け、炒め物など白菜のように調理。規格 ●小袋(20ml)●1DL